LIFE SHIFT

三十歳の原点~LIFE SHIFT~

社会人大学院生の日記。新たな働き方を模索中。

宇多田ヒカルが、なんだかまぶしい

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久しぶりの更新。

宇多田ヒカルが活動を再開した。熱烈なファンということはないけれど、年がひとつしか違わないせいか、デビューした時からずっとその歩みを見てきた。

彼女が「人間活動」に専念するといって、公式の場からほとんど姿を消して、その間に新たな伴侶を得、子どもを出産し、さらに豊かな感性を育んで、再び表現の場に戻ってきたことは、なんというか、他人事ながらとても感慨深い。

同窓会に行って、かつて同じ学生生活を送っていた友人たちの今を知ったときのような。こんなにも違う人生を送ってきたということに、愕然としたり、時の流れを感じたりして、今の自分の立ち位置を確認するような。

そんな存在として、彼女を見てきたのだなぁと思う。

今回新たに発売されたアルバムを聴いて、彼女が出演したNHKトーク番組を見て、彼女の「人間活動」の充実を、圧倒的な力で見せつけられたという感じがしている。

それに対して自分はどうか、と考える。比べるのもおこがましいし、そもそも立ち位置が全然違う。でも、流れた時間は同じ。

彼女が活動休止を発表した頃、私は公務員生活に完全に行きづまっていた。人生に絶望していたと言ってもいい。そこから、キャリアチェンジのために動きだして、公務員を退職し、私生活では結婚もした。この先、自分はいつ社会に復帰できるのか、いつ闘いの場に戻れるのか、そのとき無職の今を肯定できるような新しい価値を提供できるのか。

そんな不安に駆られるほど、ますます彼女がまぶしくなる。

 

キャリアチェンジのための休息について、ちきりんさんが著書の中で「間欠泉的キャリア」と呼んでいたのを思い出す。一定期間働くごとに、リフレッシュや個人の趣味のため、育児や介護など家族のため、数か月の休みを挟むような自由な働き方。これは、本当に必要だと思う。

でも一定期間休んだ後、間欠泉の先に、望んだ働き方や生き方がなければ意味がない。

いま焦りに近い感情で、宇多田ヒカルの活躍を見守っている。

 

 

7年間の公務員生活の退職金

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身近で若い人の事例があまりなかったので、退職前は漠然と「どのくらいもらえるのかなー」と疑問でした。特に公表する必要もないと思いながら、公務員退職をお考えの若い方のご参考になればと思い、記してみます。

私の場合、院卒(修士)で入省し、丸7年勤務して、100万円弱でした。

何の根拠もなく、50万くらいもらえれば御の字だなーと言う感じで全然期待してませんでした。民間との比較はよくわかりませんが、公務員は失業給付が出ない(失業保険の適用外)ので、それを代替するものとして支払われる側面もあります。あまり感慨もなく、まぁそんなもんかと思っています。

 

さて、退職金の使い道ですが、今のところまだ手をつけられず、あれやこれやと思いめぐらせています。何か将来につながるような投資先があれば、ドカンと一気に使ってみたい気もします。世界一周貧乏旅行くらいには行けるかもしれないし、そこそこのピアノが買えるかもしれない。いずれにしても、このお金にすがって、預金通帳を眺めて安心する、ということだけはしないつもりです。

 

※冒頭画像:https://unsplash.com/photos/lW25Zxpkln8

茶色弁当の後ろめたい記憶

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「生い立ちに関することで、もっとも後ろめたい記憶は?」

そう聞かれて、パッと頭に浮かんだ記憶の1つ。それは、学生時代に母が作ってくれていたお弁当を、隠れて捨てていたこと。自分の中にひそむ腐った性根みたいなものを、否応なく思い出させる。

 

高校生になって弁当持参になってから、母が作る茶色いお弁当が恥ずかしくて仕方なかった。友達の前で広げて食べるのが嫌で嫌でしょうがなかった。そう思うようになったきっかけはよく覚えていない。友達から「お弁当、茶色いね」と言われたような気もする。冷凍食品なんてほとんど使わずに、毎朝頑張って手作りして持たせてくれていたのに、そんなことより彩りの良い可愛いお弁当にしてほしいと思っていた。希望を母に伝えたこともあったけれど、私が思うようには変わらなかったし、じゃあ自分でやってみる!と台所に立ってみても、隣で母が寂しそうな顔をしているのを見て、母の聖域に口を出してはいけないんだと勝手に諦めてしまった。

そうして、残した弁当を家に持ち帰り、自分の部屋でポリ袋に入れて閉じて、新聞紙にくるんで隠していた。自分の部屋のごみ箱に捨てると気付かれるので、母が台所にいないときを狙って、台所の大きなごみ箱に捨てた。

当時も、本当に悪いことをしている、最低な行いだ、いつか心底後悔する日がくる、と思っていた。隠れてこんな酷いことができてしまう自分が後ろめたかった。お弁当を残している事実を母に知られたら落胆されるのはわかっていたし、残したものを捨てていると知られたら心底傷つけるだろうと思っていた。それでも、友達の目を異常に気にする自分を克服できなくて、何があっても絶対にバレないようビクビクしながら細心の注意を払い、その後ろめたい行為を続けていた。

結局、それは半年くらい続いた。ある日、うっかり捨て忘れたものを母が私の部屋で発見した。母はまず、私の体調を心配した。私はその優しさに乗っかって嘘をついて、その日はそれで済んだ。

でもほどなくして、今度は母が台所のごみ箱から発見した。2度目は、嘘を突き通せなかった。私はすべてを打ち明けて、母は怒りと落胆で体調を崩した。その後のお弁当は以前より少しカラフルになって、少し冷凍食品が増えて、少し量が減った。

 

なぜこんな過去を書き留める気になったかと言うと、ある漫画を読んだからだ。主人公の女の子が、祖母の作る弁当を学校のトイレに毎日捨てている。あまりにショッキングな一コマだけど、当時の自分と重なって居ても経ってもいられなくなる。他人の評価を気にして、寄せられる期待のすべてに応えようとし、体裁を取り繕っては本音を隠す。「私、どこで失敗した?何がいけなかった?」私の本質的な問題点は、今も昔も変わらない。あのときコソコソ弁当を捨てる前に、しなければならないことがあったのだと改めて気づかされる。

(関心のある方は以下をどうぞ。無料で読めます。)

 

余談だが、昨晩、母が生き返る夢を見た。

あまりに現実離れし過ぎていて、夫にも誰にも言えないのでここに書く。蘇った母は、まだ私が小さかった頃の若くて可憐な母なのだけれど、こちら側の人間はみな現実の年を重ねていて、なんとも言えない哀しさだった。母はわずかに姿を見せた後どこかに行ってしまって、私は母を探しながら「お母さーん、お母さーん、ごめんねごめんね」と繰り返し謝って、目が覚めた。また会えた嬉しさと取り返しのつかない現実との間で、ひっそり泣いた朝だった。

 

※冒頭画像:https://unsplash.com/photos/xPHjMxI8zKo

幸せの平準化

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結婚して数か月が経った。相変わらずの穏やかな毎日だ。

いま何かのアンケート調査で「あなたは現在、幸せですか?5段階で答えてください」と聞かれたら、この人生で初めて「5.最高に幸せ」を選ぶと思う。

 

そんななか、最近欠かさず読んでいるブログ*1がある。末期ガンの夫の闘病を支える妻のブログだ。二人は40代の仲良し夫婦で、ささやかな幸せを日々紡いでいたのに、ある日突然地獄に叩き落された。夫の闘病が、これまでの生活のすべてを変える。彼女は、そんな日々を淡々と記している。悲しみも喜びも、悔しさも無力さも、すべて飲み込んで。静かにピンと張り詰めた糸が、今にも切れそうな緊張感がある。正直、読むたびに体が硬直するし、更新が途絶えると胸がざわつく。まるで終末に向かっていく人生の記録のようだ、と思う。彼女の生活は私の人生と直接関係がないけれど、遠くで勝手に胸を痛めたり涙したりしている。

 

幸福な時は、他人の不幸をうまく受け止められない。彼女のブログを読んでいると、穏やかで幸せな毎日が永遠に続くと思うな、と言われているような気がしてならない。もちろん彼女はそんなこと一言も書いてないし、幸せな時くらい幸福感に浸っていてもいいじゃないかと思ったりもする。

それでも、私は彼女のブログを読むことを止められない。これはたぶん、この幸せな暮らしがいつか突然消えてしまうかもしれない、という漠然とした不安から来ている。現実はともかく、感情面で幸せの平準化をはかろうとしている*2。生と死は、コインの表裏ではなく延長線上にあるものだということを、一時も忘れないために、今日も私は彼女のブログを訪れる。

※冒頭画像:https://unsplash.com/photos/O85h02qZ24w

*1:ブログの詳細は引用しない。わかる人にはわかるし、何より私が書いたこの文章が万が一にもご本人の目に触れることを望んでいない。

*2:当人たちにとっては、大変失礼な話だと思う。でも、人生に起こる吉凶禍福を自ら選択し得ないという点においては、お互いさまだという気もする。

人生の折れ線グラフ

もうすぐ、誕生日を迎えます。

年齢にはもはや何の感慨もありませんが、5年前・10年前と比べてどれくらい人生が豊かになったのか、豊かにするためのスキルを身につけたのかについては、いろいろと考えるところがあります。少なくとも去年くらいから、ここ数年続いてきた負のリズムが好転しつつあるのは良い兆し。

人生の満足度をグラフにしてみると、こんな感じです(下図参照)。負の転換点が3回(①大学入学、②親族の不幸、③公務員時代)ありますが、その都度環境を変えることで状況を改善してきました。今は、長い長い暗黒の(?)公務員時代を経て、3回目の這い上がり中。退職の決断は大変なストレスだし、再就職準備中の無収入の身としては不安が尽きないけれど、それでも今の方が人生の満足度がはるかに高い。

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この折れ線グラフが、今後どうなっていくのか。はっきり言って、今は全然見えない。公務員を続けていたらある程度想像できたはずの人生が、5年先すら見えなくなった。そのことが、とてもうれしい。それだけで、希望が満ち満ちてくる。少し先の未来には、願わくば、家族が増えていたらうれしいな。その間に、ちゃんと研究も軌道に乗せて、再就職も叶えないといけないけど。長い目では、この先もずっと、経験したことのない「初めての体験」を積み重ねて、いつも変化していたいな、と思います。

 

遺伝子検査の精度

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以前から試してみたかった遺伝子検査。自宅で検査キットを使って、唾液を採取し郵送するだけ、という簡単なタイプを利用してみた。とはいえ、まだまだ値段も高いし、企業によって結果が異なるなんて話も聞きます。現時点での診断レベルって、どんなもんなんだろう?

どこの検査キットを利用する?

ネット検索してみると、数社ヒットします。全部試してみて、診断結果を比較できれば一番いいけど、そんな金銭的余裕はありません。違いは色々あるようですが、注目したのは診断結果の表示方法。病気の発症リスクは、「オッズ比」「論文による評価レベル」(リスクが高いか低いか)で表示されるらしい。このうち、「論文による評価レベル」の考え方(計算方法)が企業によって少しずつ違っていて、なんだかわかりにくい。説明を読んで、比較的イメージしやすかったDeNA社のMY CODEを選択。複数あるメニューのなかから、主要な病気と体質をバランスよく検査できるヘルスケアLite(実施時19,800円)というプランに決めました。

いざ検査。梅干しをイメージして。

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数日後、検査キット到着。レモンが描かれたカードがついていて、これを見てだ液を出すらしい。個人的には、梅干しの方が効きそう。人生でこんなにだ液を集めることに集中したのは初めてですが、とにかく超簡単です。あとは申込書兼同意書に署名をして、封筒に入れてポストに投函。

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検査結果①病気の発症リスク

2週間後、検査終了のメールが届きました。結果はインターネット上で閲覧できます。

まず病気の発症リスク(かかりやすさ)について。50種類の疾患を検査したところ、基準となる1.0倍を超える病気が20種類もありました。さらにハイリスクの病気を見てみると、1.5倍を超える病気が3つも。

リスク第1位・・・抗好中球細胞質抗体関連血管炎(3倍!!)

リスク第2位・・・基底細胞がん(2倍)

リスク第3位・・・脳梗塞(1.5倍)

うーん。正直、あまりピンとこない。ハイリスク第1位の抗好中・・・読むのも諦めたくなるような病名ですが、ウェゲナー肉芽腫とかがこれに含まれるらしい。基底細胞がんは、皮膚にできたほくろっぽいものが実はガンだったというやつ。脳梗塞1.5倍は、ちょっとショックです。

検査結果②体質

次に、体質について。こちらの方がわかりやすそう。これまで30年生きてきた自分の感覚と、検査結果の違いを検証してみました。明らかに間違ってると思われるのは50項目中、以下の4項目のみでした。

結果①身長=低い

低くはない。

結果②血圧の高さ=高い 

低め。

結果③ミネラル(鉄)値=高い 

貧血で通院歴あり。

結果④胸のサイズ=大きい 

・・・。

まとめ

病気リスクでは、家族の病歴もイメージしながら読みましたが、あまりリンクするものはありませんでした。病気の説明を読むと、高齢になってから発症するものが多かったので、現段階でピンとこないのは当然かもしれません。聞き慣れない病名はすぐ忘れてしまいそうなので、年に1回、誕生日とかに引っ張り出して何となく眺めていると、万が一のとき「もしかして?」という気づきになって救いになる場合があるかもしれません。

体質検査では、明らかに間違っていると思われたのは50項目中4項目のみ。それに対し、正しいと思われるのは50項目中22項目ありました。(残りは、テロメアの数とかレチノール値とか、自分ではよくわかりません。)感覚的に、体質検査は50~70%くらいの精度はありそうかな、という印象です。せめて、先ほど間違ってた4項目を「普通」くらいのレベルで診断してもらえたら、もう少し信頼できそうな気がします。