LIFE SHIFT

三十歳の原点~LIFE SHIFT~

社会人大学院生の日記。新たな働き方を模索中。

学生特例で猶予されていた国民年金を追納すべきか

私は、大学3年(20歳)から大学院修士2年(24歳)まで、計4年ほど学生納付特例制度を活用し、支払の猶予を受けていました。その後就職しましたが、追納せず、いまもその4年分が未納状態になっています。

追納できるのは、さかのぼって10年分までなので、すでに半分くらいが追納できない状況になっています。

国民年金は満40年払い続けて初めて、満額支払われます。未納期間があると、その分給付が割り引かれるのですが、この割引率が決して小さくありません。詳しい計算は書きませんが、現状の平均寿命を考えるとけっこう損です。国民年金を払うと決めたなら、「満40年払い続けて、満額もらう」というのがもっとも効率的です。

その前提にたって、私はあえて追納ではなく、別の方法をとることにしました。それは、60-65歳の任意加入期間を利用することです。

年金制度の現状

ここで、年金制度の現状を確認。下表の「負担給付費率」を見ると、払った保険料の何倍の給付が行われる見込みかがわかります。

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2005年生まれの人は払った保険料の2.3倍の年金をもらえる「ことになっています」。

払った分の2倍以上かえってくるなら、まぁいっか(^^)と思ってしまいそうですが、このデータには、隠された2つのからくりがあります。それは、

①もっとも給付に恵まれた「モデル世帯」のケースを想定していること。

②上表には企業負担分の保険料が含まれていないこと。 です。

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①について、モデル世帯とされているのは、夫がサラリーマンで妻が専業主婦のケースです。もちろん、満期40年払い続けることが前提です。したがって、これ以外の世帯は、2.3倍よりも少ない負担給付費率になります。

さらに②について、企業負担分も含めたデータが上の表です。厚生年金は労使折半なので、企業負担分も含めた場合、もっとも給付に恵まれた「モデル世帯(専業主婦世帯)」でさえも、40年以上も前から支払>給付という、赤字の状態になっています。単身世帯にいたっては、個人負担分だけですでに1990年から支払が給付を上回っています。つまり、もらえる額よりも自己負担で払った額の方が、すでに大きくなっているということです。

このように、想定する世帯やそれぞれの立場によって、支払った額の何倍もらえるのかに大きな差が生じているんです。1つ目の表にある数値をそのまま自分にあてはめることはできないわけですね。

じゃあ自分はいくらもらえるんだろう?と計算してみたくなりますが、これは非常に難しいです。毎年のように制度の見直しが行われている現状において、将来の給付額を正確に計算することはできないからです。

未納期間が5年未満なら、60~65歳の任意加入制度を活用しよう

このように、年金財政は今後ますます厳しくなっていくし、制度改正も頻繁に行われることが予想されます。さらに、個人のレベルでは、いま追納しても60歳以降ちゃんと生きているか、という問題もあります。そう考えると、いま焦って払う必要はないんじゃない?と思うわけです。

とはいえ、追納は過去10年分までだから、急がないと、いざ払いたくなったときに払えなくなっちゃう・・という焦りもあると思います。

そこで私は、未納の4年分について、60~65歳の任意加入期間に支払うことにしました。年金は満40年支払えば満額支給なので、未納が4年あっても、60~65歳までの5年間でその4年を補えば、まだ満額支給のチャンスがあるというわけです。

今はまだ退職年齢が60歳の企業が多いので、退職してからも保険料を支払うなんて無理、と思うかもしれませんが、今後は国も個人もそんな悠長なこと言ってられません。まず間違いなく65歳を超えても働かなければならないでしょう。いま未納分を一括で支払うこともできますが、その分を貯蓄しておいて、60歳時点の自分の状況に応じて、どうするか決めるという選択肢もあるわけです。いま頑張って追納しても、60歳時点で死んでるかもしれないし、末期ガンで余命いくばくもない状況だったら、意味ないですから。

60歳になったら、一つの節目の年齢を超えた自分をねぎらって、そこから次の人生のために、残りの未納分を支払えばいいかな、と考えています。

 

<データの出所>

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/pdf/tp0315-2r.pdf#search='%E4%B8%96%E4%BB%A3%E9%96%93%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E7%B5%A6%E4%BB%98%E3%81%A8%E8%B2%A0%E6%8B%85%E3%81%AE%E9%96%A2%E4%BF%82'

http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je03/pdf/03-00303.pdf