ハートネットTV『自分の幸せは自分で決める』
カリスマニートphaさんの回でした。とても良かった。
働き始めた頃のことを思い出して、あー自分と同じだ―と思って、涙が出そうになりました。
・満員電車に乗って、会社と家を往復する毎日。休日は疲れ果てて、家から一歩も出ないことが多くなった。給料はマッサージや栄養ドリンクなど疲労回復に消え、何のために働いているのか分からなくなった。
・面白いと思うことも全然なくて、興味が持てないことばかりをずっとやり続けて、お金をもらえたとしても、息をしているだけだなという感じ
・もうこれ以上、みんなが「普通」と言う生き方を続けられない
phaさんの本はだいたい読んでますが(過去記事)、改めて映像で見ると、彼の持つ独特の空気感と暮らしぶりが実感できてグッときます。
一見覇気がなくて、ゆったりしていて、考えながら言葉を紡いでいく様子は、サラリーマンとして競争社会を勝ち抜いていくのにおよそ向いていない。でも、そんなことはどうでもいいと思えるような、豊かな感性と教養がにじみ出ていました。
「こうあるべき」という社会の枠組みに組み込まれて、豊かな個性を奪われ、生きていくのがつらい人がたくさんいます。phaさんは自分自身で、日々削られていく自分を救ったけれど、風間俊一さんのように「(理解はできるけれど、そんな生活が)今はできない」と感じる人もたくさんいる。
でもいつか、万が一、本当に本当に生きていくことを諦めるくらいギリギリの瀬戸際に追い詰められたとき、「これ以外の生き方がある」という実例があることが、この生きづらい世の中の救いになると信じます。
これから社会に出る若者に必要な知識・能力とは
無理して適応しなくていいし、そういう人(理解してくれない人)と戦っても仕方ない。もう自分の道を行こう。
こういうことを、学校でも家庭でも教えてもらわなかった。知っていたとしても「それは道をそれること」であって、道をそれることは「許されないこと」であり「ダメ人間がやること」であるというスティグマが存在する。だから、学校を出て働き始めて辛くなったとき、どこにも出口がなくて、うつ病になったり、なかには自殺してしまう若者がいる。
それならば、これから社会に出ていく若者たちが身に着けるべき力とは何なのか?改めて考えさせられます。phaさんや(同じく番組に出ていた)大原扁理さんの姿から見えてくる「生きる力」にもっと向き合って、教育に活かしていく必要があるように感じてならない。少なくとも、
・情報リテラシーと自分の頭で考える力・創造力(適切な情報を取捨し、必要な選択を自己決定し、健全に生きていくための力)
・生き方、働き方を含めた人間の多様性を知ること
が教育の根幹になると再認識したのでした。
再放送は2016/01/11(月)です。見逃した方はぜひ!