退職して、まもなく10か月が過ぎようとしています。
この間、博士号取得のための研究を第一優先にしてきました。その傍ら、空き時間を使って(週にせいぜい2日くらいですが)細々と仕事をしてきました。
そして今月になって、はじめて公務員時代の手取り収入に追いつきました。
退職後の2つの収入源
収入源1:大学の研究員(非常勤)
院生をしながら、リサーチ関連の研究員(非常勤)をしていました。実働は月に4、5日程度で4~6万円ほど。ある程度定期的な収入が見込めるし、自分の勉強にもなるので、よいバイトになっています。
収入源2:クラウドの仕事
さて、こちらが本題。
公務員退職と同時に登録した、クラウドワーキングサイトからの収入です。
始めた動機は、収入源を得たいという理由のほかに、①元公務員とか博士課程の院生or研究員という肩書無しに、いち個人として自分のスキル・仕事はいくらで売れるのか、また②一般企業で必要とされている調査研究とはどのようなものなのか、知りたいという思いからでした。
収入を得るだけなら、どこかの会社に普通に就職すればよかったのですが、組織に所属せず、働く時間や場所を拘束されずに自分のペースで仕事をしたとき、どの程度やれるのか試してみたかったのです。
最初のうちは、あまりの単価の安さに愕然とし、サイトにアップされる仕事をただ眺めているだけでした。そのうち、少しずつオファーに手を挙げるようにしてみましたが、研究系はそもそも依頼が少ないし、実績のない人はクライアントとしてなかなか選定されない。大学も忙しいし…と自分に言い訳しながら、しばらくはサイトを検索するだけの日々でした。
秋口くらいから、大学のスケジュールに少し余裕ができたこともあり、たくさん手を挙げて、単価の安い仕事を1件、2件と受注するようになりました。
しかし、月の受注件数が1件しかない月や、まったくマッチングできない月もあり、クラウドによる収入が安定しないまま年を越しました。
クラウドワーキングで、月の収入が20万円超に
そして2017年、今月の売上が大きく増えました。たまたま運よく、単価の高い仕事を続けて受注できたことが理由ですが、実働は20時間ほどだったので、時給換算すると1万円/時ほどになり、我ながら驚きの売上でした。
といっても、今回はたまたま運が良かっただけで、こんなことは滅多にあることではありません。きっと、来月からはまた、空き時間に安いお仕事を1件、2件と地道にこなす日々に戻るのでしょう。そもそも、これまでの収入で均せば、月あたりの売上では大した金額にもなりません。
それでも、1件の小さな仕事で得た信頼が、次の案件につながっている実感があります。現時点の自分の市場価値について、その上限と下限がはっきり提示されるということも、今は楽しめています。「市場に評価される」ことの苦しさと喜びを、ほんのわずかでも実感することができて本当にうれしい。
さらに言えば、この10か月の歩みの中で、この先の働き方に新たな選択肢が与えられたと思っています。組織に所属しなければ生きていけないわけじゃない。自分のペースで仕事を選んでも、必要としてくれる人がいる。でもそういう生活を続けていくためには、とにかく成長し続けることが不可欠。
しばらくは経済的にとても不安定な日々が続くけれど、自分にもまだまだやれることがあって、まだ伸びていけるんだと希望を感じられることが、本当に幸せです。公務員だったころの、とにかく希望がなくて人生を捨てているような感覚には、もう二度と戻れない。