LIFE SHIFT

三十歳の原点~LIFE SHIFT~

社会人大学院生の日記。新たな働き方を模索中。

育児で夫が指示待ち人間になったら、もう二度と愛せない

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タイトルに反して重要な前置きをすると、夫は家事も育児もよくやってくれている。仕事が裁量労働制で、時間の融通がききやすいと言うこともあるが、もともと子ども好きだし、自分のことより妻の心身の健康を心配して積極的に子守するような、いわゆるモラハラの対極にいる、よくできた夫だ。私はこよなく夫を愛しているし、さまざまな面で夫を尊敬している。

今日は毎月恒例の子どもの受診日だった。病院に着いてから、やるべきことがたくさんある。それらはほとんどルーティーンで、いつも同じ流れだから、次に何が起こるかをたいてい予測できる。しかし、夫はいつも、そこで起こる出来事にすすんで対処しようとしない。私が懸命に対処している間、夫は所在無げにうしろで見ているだけで一切動かない。その間にも、夫にしてほしいこと、手助けしてほしいことがたくさんあって、これまでもその都度、夫に指示して動いてもらってきた。でも、翌月になると振り出しに戻る。毎回、いちから指示しないと動かない。今日もまた例に漏れず立ち尽くす夫に、指示しなくても先々のことを予測して行動してほしいと話した。

すると夫は、しばらく考え込んだ後、こう言った。「病院で、いつもどうしていいか分からなかった。何かしなきゃと思いながら、何をすればいいのかわからない。考えついても、妻の望んでることと違うことをしてしまうのではと思って動けない。そもそも自分は、段取りを考えて動くことが得意ではない。指示してほしい。自分でこうしたほうがいいかなと思って動くと、こっちを先にやってと言われたり、余計なことをしてしまったりすることもあるから、そのほうが適切に動けると思う。」

この言葉を聞いて、そのときは「そうなんだね、わかった。」とだけ答えて、その場は終わった。しかし、この言葉があとからじわじわ胸にこたえてきて、全身の力がシューっと抜けるように何もかもが嫌になってしまった。

 

以前ツイッターか何かで、「子供が生まれたら夫の事は使えない新人アルバイトか、できの悪い部下だと思って、指示を出せ。やる気だけはあるから、指示さえ出せば動いてくれる。そうやって夫を育てて、うまく使え」というのを見たことがある。たしか、いいねが1万以上ついていた気がする。

でも私には、受け入れ難かった。あなたの夫はそうかもしれない、けれど私の夫と一緒にしないでほしい。私の夫は、使えない新人アルバイトでも出来の悪い部下でもない。一方的に妻が夫を育成する関係はもはや夫婦ではないし、それはある意味夫を見下す行為だ。育児という、夫婦にとって最も重要な局面でそんな関係を作ってしまったら、もう二度と夫に敬意を持てない。敬意を持てなくなったら、ちょっと話せば解決するようなことでも、勝手に諦めて話し合うこともせず、溝は深まっていくばかりだろう。敬意がなくなったら、少なくとも私にとって夫婦関係は終わりだ。

 

総じて、夫が後ろに下がって動かない時、それは夫にとって自分事ではないのだ。主担当である私を手伝うスタンスになっているとき。もしくは、担当したことがなくてやり方がわからないとき。あるいは、最初は主担当のつもりで動いていたのに、横から私に口や手を出されて、ゆっくりと後ろにフェイドアウトしていったとき。とにかく、夫が自分事として動けるような仕組みを夫婦で考えるしかない。

 

夫は同僚たちに、離乳食も作っているよと話したりする。でも夫は、今の月齢で子どもにどんな栄養素が必要かを知らない。その栄養素を取るために何の野菜を買うべきかわからない。食材を買ってきたあと、どう調理すべきかわからない。月齢ごとに、どのサイズで刻むべきか考えたことがない。各食材を1回にどのくらい摂取すべきか知らない。離乳食で夫がするのは、用意された食材を、指示のとおり茹でたり刻んだり小分けにして冷凍するところ。これらを、ときどきやる。たしかに、ある部分では離乳食を作っていると言えるかもしれない。でも、そうじゃないことを私だけが知っている。

 

そういうわけで、手始めに、次回の離乳食作りでは全ての工程を夫に任せてみる。翌月の受診日には、夫と子どもで病院に行ってもらう。信頼して、任せて、経験してもらう。毎回でなくていいから、経験したことをすっかり忘れてしまわないくらいの頻度で。私は夫を諦めない。