LIFE SHIFT

三十歳の原点~LIFE SHIFT~

社会人大学院生の日記。新たな働き方を模索中。

自分の仕事をつくること。

 

自分の仕事をつくる (ちくま文庫)

西村佳哲『自分の仕事をつくる』。

 「仕事を通じて、自分を証明する必要はない。(中略)最大の敵は、常に自意識である。個性的であろうとするよりも、ただ無我夢中でやるほうが、結果として個性的な仕事が生まれる。」

大きな組織の中にいると、仕事の成果に社員の名前が入ることはめったにありません。ある仕事について自分が社内一詳しくなって、課題解決のための新しい仕組みを作ったり、外部へ発信できる形にまとめあげ、成果をあげたとしても、最後に自分のサインが入ることはありません。それは私の成果ではなく会社の成果とされるからです。その代わり、何か問題が生じたら、社会に対して責任をとるのは会社になります。(もちろん私個人も処分されますが、あくまで社内的にです)

一方、研究活動においては、私が書いた論文には私の名前が入ります。そしてその成果は私の成果であり、そこで生じた責任は私が果たさなければなりません。(所属する大学にも迷惑がかかりますが、外部に向けて責任を取るべきなのは私です)フリーランスをされている方々などは、なおさらそうなのだろうと思います。

 

私が新しい働き方を模索し始めたばかりの頃、次の職を探すうえで、前者の働き方では自分を十分にアピールできないと考えていました。後者の方が、責任も伴うがやりがいも大きく、自分が積み重ねてきたことを第三者に対して明確に説明できる、と。

でも今は、それは根本的に違うとわかる。本当に必要なのは過去の自分をアピールすることではなく、今の自分に何ができるかをアピールすることであって、それは目の前の仕事で示していくしかないんです。

自分にしかできない仕事は、初めからそのように存在して自分を待っているのではなくて、誰にでもできる仕事に没頭していくうちに自分にしかできない仕事になっている、という結果論に過ぎないんですよね。

世間知らずだった私はそんなことにも気づかず、貴重な時間を鬱々と過ごしていたのでした。過去に縛られるつもりはないけれど、この失敗を次の成功につなげないと悔しすぎる!と思っています。