生を生に任せ、死を死に任せる。
以前、NHK映像ファイル「あの人に会いたい」という番組で、臨済宗天龍寺派管長・関牧翁(せき ぼくおう)さんの特集がありました。
死ぬときは死んでしまえばいい。生きてるときに死のうとか、死ぬときに生きようと思うから辛いんだ。死は死に任せて、我々は一日一日をよく生きること。
私が、生きることは死ぬことだというのを切に実感したのは、母が亡くなった20歳のときでした。そこから、じゃあ自分は死ぬまでに何をしよう?と具体的に考え始めた。
自分にできることといったら、精一杯生きることしかない、と分かっていながら、どこかに脱力感というか、無力感があった。辛いこと乗り越えながら頑張って生きても、ぬるま湯に浸かった様に楽に生きても、結局「一つの生を生きた」という意味では同じなんじゃないかって思えて、時々ムショーにやる気が起きなくなってしまうことがありました。
そんなとき、関牧翁さんの言葉に出会いました。
どう生きるかということを考えるのは、それほど重要じゃないのかもしれない。
毎朝起きたら、今日一日を精一杯生きることを考える。それだけ。
生を生に任せ、死を死に任せる。それだけのこと。
私自身は無宗教で、今後も特定の宗教に属することはないと思うけど、いつか禅の世界にはどっぷり浸かってみたいな、と思っています。