LIFE SHIFT

三十歳の原点~LIFE SHIFT~

社会人大学院生の日記。新たな働き方を模索中。

仕事のなにが疲れるのか?

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1月で後期の授業が終わって、ただいま短期集中型のリサーチングアシスタント(RA)として、指導教官の研究室にこもってます。拘束時間は平日AM9時からPM6時、遅い時だとPM8時くらいまでかかるので、自分の研究はそれ以外の時間にやる感じ。博論以外のことに1日じゅう拘束されるのは久しぶりで、そんなことしてる余裕あるのか?とも思いますが、いろいろ勉強にもなるし、長くても3月までなので、まぁいいかなと思ってます。

去年までフルタイムで出勤していた頃は、もっと長い時間、拘束されていたのですが、たいして頭を使わなかった日でも、ものすごい疲れてたなーというのを思い出します。仕事が終わると、ぐったりして気力がすべて失われてしまう感じ。

改めて、なんであんなに疲れてたんだろう?と考えます。というのも、今やってるRAのバイトだって、デスクワークという意味では同じだからです。課題(仕事)を与えられて、その解決方法を自分なりに考えながら作業を進め、上司の承認を得てアウトプットを公表し、完了させる。なのに、RAでは気力が奪われることはない。拘束時間に多少違いがあるとしても、疲労度は天と地ほどの差がある。

この違いを、向き不向きだろうと言ってしまうのは簡単。でも、そう言ってうやむやにしたまま次の仕事を選んでしまったら、再び同じ過ちを犯す可能性があります。「仕事ってのは疲れるもんなんだ」と諦めずに、自分が何に疲労したのか、何がしんどかったのか、きちんと理解しておく必要があると思っています。まだ完全には把握できてませんが、思いついた要因を2つほど。

要因1.アウトプットされない内向きの仕事が多すぎた

公務員時代は、直接アウトプットにつながらない内向きの仕事、すなわち組織内で決裁権者を納得させるためだけの資料作成とか、他部署を動かすためだけの内部資料とか、されてもいない質問や起こってもいないことをあらかじめ想定して作っておく対応集とか、ありとあらゆる「内部資料」の作成が求められました。1のアウトプットを出すために、100の予備資料が存在するといった仕事も経験しました。組織が大きければ大きいほど内部調整が難しくなり、稟議制の過程で内向きの仕事が増えていく実態がありました。

これは公務という仕事柄、公平性や一貫性、正確性を保つためにやむを得ないことだと理解しています。それでも、やっぱりこんなことをしてたんじゃ、いつまでたっても仕事は減らないじゃないか、という思いをぬぐえなかった。何よりも、組織内の調整のため仕事を積み重ねることにやりがいを感じられず、自分が消耗していくのを感じました。

手間と時間をかけるのは、研究活動も同じです。1つの投稿論文の背景に、何十本という既存研究のサーベイランスがあり、何千・何万ものデータ収集や分析があり、多くの研究者とのセッションから得た知見がちりばめられている。

しかし、研究活動におけるインプットは可能な限り、研究成果に生かされる(というか、生かさなければならないと私は思っている)のに対し、公務における内部資料は、アウトプットに直接生かされない(組織外に出してはいけない)ことを前提に作成されるものが多い。いや研究活動だって、大して費用対効果は高くないでしょと言われれば否定しづらいですが、少なくとも研究者の心がけによってアウトプット比率を高めることはできる。どちらの仕事をしたいかは、それこそ「向き不向き」ですが、私には後者の仕事が向いていなかった。それがわかったことも、1つの経験値といえるのかもしれません。

要因2.四六時中、集団の中で仕事するのに気疲れした

もっと単純な理由として、四六時中たくさんの人に囲まれて仕事するのがしんどかった、というのがあります。これまで勤務した職場は、広いフロアに20~30人が机ならべて向かい合って仕事してて、その中で女性職員は私ひとり、という環境がほとんどでした。電話してても、歩いてても、なんか目立つ。気にしなければいいんでしょうけれど、周囲の目が気になる性格上、常に誰かから評価されているような気がして、あちこちに気を遣っては疲れ果てていました。これは職場のせいじゃなくて、自意識過剰な自分の性格のせい。

いま研究室には、教授がいるだけです。したがって、配慮すべき相手は教授だけ。私の意識の1割くらいは教授に向いていて、仕事しながらも、背中についてる目で教授の動きをうかがっています。その対象が1人なら、全然疲れません。

同じことを、以前は職場の上司や同僚など、複数に対して行っていました。思い出してみたら、たぶん8人くらいに常に神経つかってたと思う。気疲れするのも当然だったと思います。これは仕事上、よい影響もありました。上司がバタバタしてたらすかさずサポートに入り、同僚が困っていればさりげなく声をかける。これも他人から見れば、自己満足だったのかもしれませんが。そのせいで自分が疲弊してしまったり、肝心の仕事に集中できなかったら元も子もないですね。

 

以上の要因を踏まえて、今後は①インプットがきちんとアウトプットにつながる仕事で、②個室あるいは少人数で働ける職場環境がある職場、を選びたいなーとぼんやりおもっています。